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SharePoint とは2(テナント・サイト・アプリ)

  • 2022年2月28日

前投稿「SharePoint とは(今さら聞けない)」からの続きです。今回はクラウド版の「SharePoint Online」を前提に、サービスを理解するために必要となる基本的な用語について説明します。

「テナント」

SharePoint Online は Microsoft 365 に含まれるひとつのサービスです。Microsoft 365 は基本的に法人一社に対して1つの契約(複数契約しているケースも少なからずありますが)ですが、この契約毎に提供されるサービスを一括して「テナント」と呼びます。

テナント、で大きな街ひとつをイメージしてもらうと良いかもしれません。街には様々な居住区域(サービス)があり、そこに住む(利用する)沢山の人(ユーザー)がいます。テナント管理者は、街全体を統括して差配する、さながら市長ですね。

「SharePoint Online」

話が前後してしまいましたが、SharePoint Online は Microsoft 365 で提供されるひとつのサービスです。上の例で街に例えるなら、ひとつの大きな区域ですね。SharePoint 区域の他にも「Teams区域」「Planner 区域」「Exchange Online 区域」などがある訳です。

テナント(街)に登録されているユーザー(住人)は、テナント管理者(市長)が許可すれば(ライセンスを割り当てられれば) SharePoint Online を利用する(区域に立ち入る)ことができます。

「サイトコレクション」

SharePoint Online という居住区域に住むには家(ここでは一戸建てのイメージ)が必要です。この「家」が「サイトコレクション」に該当します。

システム的には、複数のサイトを束ねたひとつの管理単位が「サイトコレクション」です。ここがなかなか分かりくいのですが「サイトコレクション」はあくまで管理単位であり、実体がありません。あくまで「家」全体を外から見て、大きく捉えた概念が「サイトコレクション」ですかね。

サイトコレクション(家)を対象とした各種設定は「サイトコレクション所有者」が行うことができます。さながら家主ですね。ここで行われた設定は、サイトコレクション内に存在するすべて(サイト、アプリ、ユーザー、データー…)に影響します。

「サイト」

普段ユーザーがアクセスする SharePoint Online の画面がこの「サイト」です。ここまでの喩えになぞらえると家にある「部屋」に該当します。

部屋には必ず「持ち主が」いるわけですが、その方が「サイト管理者」になります。サイト管理者はサイト(部屋)に関する各種設定を行う権限があります。また、サイトコレクション所有者(家主)も同じ権限があります。

なお「部屋が全くない家」はそもそも建てようがないように、サイトコレクションを作成すると必ずひとつのサイトが同時に作成されます。この一番最初のサイトは「トップレベル」「ルート」などと呼ばれ、特別な扱いを受けますが、実は機能面で特殊な点はありません。

「サブサイト」

上記の「トップレベル」サイトとは別に、後から追加で作成されたサイト(部屋)をサブサイトと呼びます。「サブ」なのは、必ず「トップレベル」サイトの配下に作成されるからです(URL にその位置関係が反映されます)。

なお、サブサイトの配下にも別のサブサイトを作成することができますが、この場合も呼称は「サブサイト」です。

「アプリ(リストやライブラリ)」

サイト内に設置される、コンテンツの器が「アプリ」です。サイトを部屋に喩えると、アプリはその中に置かれた色々な「家具」でしょうか。家具が充実することで、その部屋がより過ごしやすくなります。

サイト(部屋)を作成したタイミングで、最初から配置されているアプリ(家具)もあります。「サイトのリソースファイル」「ドキュメント」「ページ」等です。

画面の左ナビゲーションにある「サイトコンテンツ」をクリックすると、そのサイト(部屋)に存在するアプリ(家具)が一覧で表示されます。アプリ(家具)の追加や削除、設定変更ができるのは基本的にサイト管理者(部屋の持ち主)またはサイトコレクション所有者(家主)ですが、明示的にそれ以外のユーザーを指定して許可することもできます。

オンプレミス SharePoint の場合

以上、SharePoint Online について説明しましたが、オンプレミスの SharePoint Server でもほぼ同様です。唯一「テナント」が「Webアプリケーション」になります。前述の通り、Microsoft 365 のテナントは基本的に一社につき一つしか作成することができませんが、オンプレミス SharePoint の場合、複数のWebアプリケーションを作成できる点が違いです。

街のイメージで喩えるとすれば 大きな街で市の下に区があり区長がいる と考えていただくと、理解しやすいかもしれませんね。