SharePoint Online は製品として多言語(マルチ・ランゲージ)対応しており、特定の言語を指定してサイトを作成したり、ユーザーが自身の言語を設定したりすることができます。しかし、これらの設定がバッティングした場合(例えば英語サイトに日本語のユーザーがアクセスしたなど)、サイトは実際にどの言語で表示されるのでしょうか?確認してみました。
表示言語に関する設定要素
SharePoint Online では表示言語に関わる設定は2箇所、3種類です。
1.サイトの「第一言語」設定
サイト作成時に「第一言語」を指定します。
![SharePoint Online サイトはどの言語で表示されるのか? 2 bd5a851896b7b506f05609a5ed6e22d6](https://pa-wsc.work/wp-content/uploads/2021/12/bd5a851896b7b506f05609a5ed6e22d6-594x1024.png)
2. サイトの「選択可能な言語(第二言語)」設定
多言語オプションとして複数の言語を指定できます。
![SharePoint Online サイトはどの言語で表示されるのか? 3 350b2543c2cbee54a6b5e71b86872f5a 1](https://pa-wsc.work/wp-content/uploads/2021/12/350b2543c2cbee54a6b5e71b86872f5a-1-1024x622.png)
3. ユーザー毎の「言語と地域」設定
ユーザーは自身のプロファイル設定のひとつ「言語と地域」で、表示言語の指定ができます。
![SharePoint Online サイトはどの言語で表示されるのか? 4 812278e45ee677458bceb2bfc7ec7c98](https://pa-wsc.work/wp-content/uploads/2021/12/812278e45ee677458bceb2bfc7ec7c98-1024x407.png)
設定が組み合わさるとどうなるのか
あくまで自社テナントで私自身が試した範囲では、という前提ですが、大きく二つのパターンがありました。上記二番目の設定である「サイトの第二言語」が指定されているかどうかにより、1.サイトの第一言語 3.ユーザーの言語設定 のどちらが優先されるか、が変わるようです。
第二言語が設定されているパターン
SharePoint Online のサイトでは、デフォルトで「選択可能な言語」が全て選択された状態です。この状態でユーザーがサイトを閲覧した場合、ユーザーの言語設定が優先されるようです。
![SharePoint Online サイトはどの言語で表示されるのか? 5 image](https://pa-wsc.work/wp-content/uploads/2021/12/image.png)
第二言語が何も設定されていないパターン
逆に、「選択可能な言語」をすべて除外してみたところ、ユーザーの言語設定ではなくサイトの第一言語が優先されました。
![SharePoint Online サイトはどの言語で表示されるのか? 6 image 1](https://pa-wsc.work/wp-content/uploads/2021/12/image-1.png)
留意点など
以上、検証としては案外シンプルな結果になりました。しかし、多言語設定がされているか、いないかで真逆の結果になるため、ユーザーにはなかなか説明が難しいですね…。
なお、サイトの第一言語は作成時に設定しますが、これを後から変更することができないので注意してください。
また、そもそもなのですが SharePoint サイトの多言語対応は、あくまでサービスの GUI 部分のみです。ユーザーが入力する箇所については、入力した際の言語で固定されます。例えば下図のハイライト部分、サイト名、リスト名、ビュー名、列名、そしてアイテムの列値がそうですね。
![SharePoint Online サイトはどの言語で表示されるのか? 7 image 3](https://pa-wsc.work/wp-content/uploads/2021/12/image-3-1024x402.png)
そのため、本当の意味で「多言語対応」なサイトをつくるには、予めサイトを複数作成して言語でわける、英語列と日本語列を設けて両方に入力を求める、などの対応が必要です。
このあたり、もう少し自動翻訳の精度が上がれば、完全な「マルチ・ランゲージ」も実現しそうな気がしますが。もうしばらくは運用で工夫、ですね。