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SharePointへの移行でやるべきこと(第5回)

今回は「移行スケジュールの検討」について書こうと思います。

移行スケジュール作成時のタスク(大項目)としては以下が挙げられます。
※上記以外にも項目があるかと思います。
※また、各項目のサブタスクは各会社様によってさまざまですので、個別に検討してください。

1. テスト移行対象データの選定

移行対象が少ない場合はすべてのデータでテストしてもいいですが、対象が多い場合は現実的ではありません。

そこで、パターン化をして【必要最小限且つ、ある程度網羅できるデータ】を選定します。
ポイントとなるのは
 データの管理部署/管理者のすべてがテスト対象となるようにする
です。

データの管理部署が複数ある場合
 「うちの部署も1つデータ管理してるけど、テスト移行の連絡なかったよ」
とならないように、データを選定します。

1つの管理部署で複数のデータを管理している場合は、
その中から1~3つ選んでテスト移行するといいでしょう。
ただ、無作為に選ぶのではなく、データの特性を考えて選ぶようにしましょう。
例えば、
 ・掲示板形式で、テキストデータのみを保持している
 ・添付ファイルが存在する
 ・別データへのリンクが記載されている
などのパターンを洗い出し、それらをテスト移行対象とするとよいでしょう。

2. テスト移行時期の調整

テスト移行とは言え、管理者に無断で移行テストするわけにはいきません。
テスト中に「データの整合性が崩れた」となってしまったら目も当てられません。

そうならないためにも、管理者側と調整しておきましょう。
  • データ管理者とのテスト実施日の調整
  • 実施日時を連携しておきます。
    さらに、テスト移行の実施前後で管理者に連絡すると尚良いでしょう。
    なるべく「1日1テスト」となるようにテスト期間全体を調整しましょう。

  • 事前バックアップの取得
  • 有事に備え、最低でもテスト実施の前日分のバックアップを取得/保持しておきましょう。
    (理想はテスト実施の直前データです。)

  • コピー環境の作成
  • 【念には念を】という意味もありますが、利用中のデータでテストするのはリスクがあります。
    コピーができるのであれば、その環境を構築してテストするした方がよいでしょう。
    コピーできない場合は、業務時間後に実施するなど可能な限りのリスク軽減を検討しましょう。

3. テスト移行実施と移行後の動作確認

日程調整が終わりテスト移行の準備が整ったところで、テスト移行の目的を再確認しましょう。
  1. 想定している移行方法で大丈夫なのか(データ欠落の有無)
  2. 移行完了条件の確認(何を以て移行完了とするか)
  3. 移行前後のデータ整合性の取り方(比較方法)
  4. 移行に掛かる想定時間
上記の内容は管理者側にも連携しておくことで、後述する「ユーザー確認」時の協力も得やすくなります。

4. ユーザー確認

システム側としてデータの整合性確認をするとともに、
管理者(利用者)にも確認をしてもらい、本番移行に向けた最終調整をしましょう。

また、この時に移行後のデータを操作してもらい、最終的な課題・要望を吸い上げましょう。
ここで挙がった課題・要望に対する方針を検討し、管理者(利用者)と調整しましょう。
  • 可能な限り対応する
  • 制限事項としてもらう

  • 5. 本番移行時期の調整

    テスト移行が完了し、挙がった課題・要望についてもある程度目途が立ちました。
    そろそろ本番移行の時期の調整に入りましょう。

    ポイントは
    • 実施日
    • 移行実施日は「休日実施」なのか「平日の業務時間後実施」を決めます。
      この時、移行テストで計測した時間も参考にしましょう。

    • 移行元データの保持期間
    • 保持期間はなるべく短くしましょう。
      また、保持している間のアクセス権限も調整しましょう。
      (必要最低限のアカウントのみを設定する感じですね)

    • 移行後の問い合わせ方法
    • 「移行後の問い合わせ方法」ですが、データ管理者に一般利用者からの1次受けを依頼し、 SharePointに関する問い合わせか、データそのものに関する問い合わせかを切り分けてもらいましょう。
      データに関する問い合わせは管理者から回答してもらい、SharePointに関してはサポート窓口へエスカレーションしてもらいましょう。
      そうすることで、利用者の負荷を軽減(待ち時間の短縮)できるはずです。
    となります。